弁護士費用特約を使える家族の範囲は?使える、使えないケースも解説

弁護士費用特約とは、交通事故の件で弁護士に弁護活動を依頼した際に発生する弁護士費用(通常、被害者一人につき300万円まで)を、保険金で補償してくれるための特約のことです。

大変便利な特約ですが、実は、特約を付けているのに家族のために使えることを知らない、使えていない、という方は結構いらっしゃいます

そこで、本記事では、弁護士費用特約を使える家族の範囲などについて解説したいと思います。

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弁護士費用特約を使える家族の範囲

弁護士費用特約を使える家族の範囲は以下のとおりです。

 

① 記名被保険者(※)

② ①の配偶者

③ ①又は②と同居している親族(※)

④ ①又は②と別居している未婚の子

 

※記名被保険者

自動車保険の保険証券などに記載の被保険自動車(保険の対象となる自動車)を主に運転する人のこと。

※親族

6親等内の血族、配偶者または3親等内の姻族

 

です。

なお、①から④の家族以外の車の同乗者など(知人、友人など)も使うことが可能です。

 

【ケース別】家族は弁護士費用特約を使える?

では、次の家族構成、契約内容で、以下のケースで家族が弁護士費用特約を使えるかを検討してみましょう。

 

【家族構成】

① 夫A 会社員(58歳)

② 妻B 主婦 (55歳)

③ 長女C 会社員(23歳)

④ 長男D 大学生(20歳)

 

(補足)

A・B・Dは同居している。

Cは就職して家族と別居。結婚はしていない。自宅から職場までが遠いため、家族から車Bをプレゼントされた。車Bには任意保険をかけている(記名被保険者はD、保険料の支払い義務者はA)が、弁護士費用特約はつけていない。

 

【契約内容】

記名被保険者 A

被保険自動車 車A

 

夫Aが車Aを運転中に追突された(夫Aの過失割合0)

夫Aは記名被保険者であるため、弁護士費用特約を使えます。

妻Bが車Aを運転中に追突された(妻Bの過失割合0)

妻Bは記名被保険者の配偶者であるため、弁護士費用特約を使えます。

長男Dが車Aを運転中に追突された(長男Dの過失割合0)

長男Dは記名被保険者と同居している親族であるため、弁護士費用特約を使えます。

長女Cが車Bを運転中に追突された(長女Cの過失割合0)

長女Cは記名被保険者と別居している未婚の子であるため、弁護士費用特約を使えます。

このように、弁護士費用特約を付けていない車の運転中に交通事故に遭った場合でも、弁護士費用特約を付けている車の記名被保険者の家族であれば、その弁護士費用特約を使える可能性があります

 

したがって、たとえば、家族で2台の車を保有しており、一方の車には弁護士費用特約を付けており、一方には付けていない場合に、弁護士費用特約を付けていない車を運転中に交通事故に遭った場合でも弁護士費用を使える可能性があります

 

家族が弁護士費用特約を使える場合

これまでは弁護士費用を使える家族の「範囲」を解説しましたが、以下では、その家族がいかなる場合に弁護士費用を使えるかという点について解説します。

自動車関連の交通事故の場合

自動車関連の交通事故とは、要は、相手方が車を運転する際に起きた交通事故、という意味です。したがって、相手方が自転車を運転中の交通事故には弁護士費用特約は使えません。他方で、相手方が車を運転する際の交通事故である以上、家族が車を運転中の場合はもちろん、自転車を運転中、歩行者中の場合でも、弁護士費用特約を使えます

相手方の過失割合が100(10割)の場合

家族には過失がなく(過失割合「0」)、相手方の過失割合が100(10割)の場合、ご自身が加入ししている保険会社は、法律上、相手方の保険会社と示談交渉することができません。したがって、この場合は、弁護士費用特約を使うべきといえます。

 

なお、弁護士費用特約は家族の過失割合が「0」でなければ使えない、というわけではありません。家族に何らかの過失(落ち度)があっても弁護士費用特約は使える可能性があります。この場合は、保険会社も示談交渉を行えるようになりますが、保険会社同士の示談交渉だと示談金を低く抑えられてしまう可能性もありますので、使えるのであれば弁護士費用特約を使った方がよいと考えます。

 

家族が弁護士費用特約を使えない場合

次に、家族が弁護士費用特約を使えない場合について解説します。

家族の過失割合が100(10割)の場合

いわゆる家族が完全(純粋)な加害者という場合です。

先ほど、家族に過失があっても弁護士費用特約を使える、という話をしましたが、過失割合が100の場合はもはや使うことはできません。

過失割合が100のケースとは、たとえば、車を運転中に前方で停止している車に追突した場合、赤色信号を無視して交差点に進入しようとしたところ、青色信号で横断歩道を横断していた歩行者をひいた、などという場合です。

交通事故による損害が故意又は重大な過失に起因する場合

「故意」とはわざと、「重大な過失」とは過失(落ち度)の程度が著しく、少しの注意を払えば危険を回避できた場合をいいます。

故意の例としては危険運転があります。たとえば、一般道で制限速度を30キロ以上超えるスピードで運転していた場合などです。

重大な過失の例としては、たとえば、スマートフォンを操作しながら車や自転車を運転していた場合などです。

家族が無免許運転、酒酔い・酒気帯び運転、薬物運転していた場合

無免許運転には無資格運転も含まれます。

薬物とは、麻薬、大麻、あへん、覚せい剤、シンナー等のことで、これらを摂取したことによって正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転していた場合が薬物運転です。

損賠賠償する相手方が家族などの場合

損賠賠償する相手方(いわゆる加害者)が次の者である場合は弁護士費用特約を使えません。

 

① 「弁護士費用特約を使える家族の範囲」でご紹介した①から④の者

② 上記①の者の父母、配偶者又は子供

 

車の使用者又は所有者の承諾なく車を運転した場合

たとえば、知人に無断で知人の車を運転中に交通事故に遭った場合などです。

 

まとめ

家族が弁護士費用特約を付けていなくても、ご自身が付けている場合は付けていない家族も弁護士費用を使える可能性があります。反対に、ご自身が弁護士費用特約を付けていなくても、家族が付けている場合は、弁護士費用特約を使える可能性があります

使えるケース、使えないケースはご加入の保険会社ごとに異なりますまずは、約款で内容を確認するか、分からない場合は保険会社、弁護士などに問い合わせてみるとよいです。

【交通事故】弁護士法人あまた法律事務所

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