不起訴はいつわかる?元検察官が身柄事件と在宅事件別に解説します

不起訴がいつわかるのか、ご自身にとって大変重要なことだけに気になる方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は、元検察官である私が、その問いに対してズバリお答えします

ぜひ最後までご一読いただけると幸いです。

不起訴とは

不起訴とは、検察官が行う刑事処分の一種で、「起訴されない」という効果を有するものです。

なお、検察官が行う刑事処分にはこの不起訴のほかにも、不起訴と真逆の効果を有する「起訴」、少年(20歳未満の者)の事件を家庭裁判所へ送致する家庭裁判所送致などがあります。

 

不起訴を受けるメリットとしては

 

【不起訴を受けるメリット】

☑ 刑事裁判を受ける必要がない

☑ 身柄拘束(勾留)が継続しない(身柄事件の場合)

☑ 懲役、禁錮、罰金などの刑罰を受けない

☑ 前科がつかない(参考:不起訴だと前科がつかないわけは?つかないメリットなども解説

という点を挙げることができます。

 

仮に、起訴されると、裁判所から指定された日に裁判所へ出廷しなければなりません。それだけでも憂鬱ですよね?というのも、刑事裁判(裁判所の公開の法廷で行われる裁判)では、裁判官、検察官、弁護人、そして何より見ず知らずの傍聴人(通常の裁判では数は少ないですが)の目の前で裁判を受けなければならないからです。

 

また、これは身柄を拘束された(勾留された)身柄事件についていえることですが、身柄を拘束されたまま起訴されると自動的に2か月間の身柄拘束期間が決まってしまいます。起訴前は一つの事件につき最大で20日間の拘束期間だったものが、一気に2か月まで伸びるのです。起訴前に比べて取調べの回数は減って精神的には少しは楽になるし、起訴から裁判までの時間もかかるなどの理由でこのような期間が設定されているのですが、留置場、拘置所での生活を考えるとやはり辛いことに変わりありません。

 

さらに、起訴されると懲役、禁錮などの刑罰を受ける可能性があります。「どうせ執行猶予だから」と考えている方がおられるかもしれませんが、執行猶予かどうかは蓋を開けてみないと(判決を受けてみないと)わかりません。しかし、執行猶予付き判決でも、たとえば医師のように免許や資格を取得できない可能性のある職業がありますし、何より、執行猶予が取り消されて服役しなければならない可能性もまだ残されているのです。

 

以上のような負担や不安を避けるには不起訴を獲得すべきといえます。



 

不起訴はいつわかる?

不起訴がいつわかるかは身柄事件と在宅事件で異なります。

もっとも、法律上は、検察官が被疑者に不起訴をいつ教えるべき、という決まりはありません。したがって、不起訴がいつわかるか、ということはケースバイケースといってよいです。

身柄事件の場合

身柄事件の場合は、身柄拘束期間(勾留期間)が終わる2日、3日前までにわかる場合が多いです。

身柄事件の場合は、少なくとも国選弁護人(あるいは私選弁護人)が選任されています。そして、国選弁護人は検察官に対して随時、「処分がどうなるか」を確認しています。したがって、国選弁護人が検察官から「不起訴予定」との情報をつかんだら、被疑者は国選弁護人との接見を通じて不起訴予定だということがわかる場合が多いです。なお、この段階ではあくまで「不起訴予定」ですが、検察官が弁護人に対して「不起訴」と伝えた処分を起訴に変更することはありえません。

 

他方で、検察官は刑事処分を保留したまま、被疑者の身柄のみを釈放することもあります。これを処分保留による釈放といいます。身柄拘束期間までに証拠を集めることができなくて起訴か不起訴か判断できない、という場合に行われるのがこの処分保留です。あくまで処分が保留されたわけですから、釈放された段階では起訴か不起訴か決まったわけではありません。仮に、不起訴となる予定の場合でもいつ不起訴となるのかはわかりません。また、基本的に国選弁護人は釈放された後は刑事弁護活動を行いませんから、本当に不起訴となったかどうかは、下の在宅事件の場合と同様、ご自身で確認しなければならないのが基本です。

※身柄事件

身柄を拘束されている事件のことです。逮捕期間中の事件、勾留期間中の事件を含みます。

逮捕後に釈放された事件、勾留後に釈放された事件、勾留期間中に処分保留で釈放された事件は以下の在宅事件に入ります。

 

在宅事件の場合

在宅事件の場合は、身柄事件のような時間的制約がありませんから、いつ不起訴となるかはわかりません。

もっとも、在宅事件の場合は、身柄事件と比べて、取調べ時に検察官から「不起訴とする予定ですよ」などと言われることも多いです。言われない場合は起訴される可能性も否定はできません。ただ、最終の取調べから2か月半以上経っても起訴されない(ご自宅に「起訴状謄本」という書類が届かない)場合で、かつ、処分が気になるという場合は、一度、担当の検察官(検察庁)に電話して問い合わせてみるのもよいです(処分を教えてくれるという場合は、直接、検察庁へ足を運ぶ必要があります(電話回答不可))。

また、私選弁護人を選任している場合は、私選弁護人が上の国選弁護人の場合と同様に、随時、検察官に対して「処分がどうなるか」を確認しています。したがって、私選弁護人が検察官から「不起訴予定」との情報を得た段階で、不起訴予定とわかります。さらに、その後も、私選弁護人は検察官に電話をし、検察官が正式に不起訴としたことの確認を取ります。

 

なお、刑事訴訟法259条には、検察官が不起訴処分とした後、被疑者から請求があった場合は不起訴をしたことを被疑者に対して教えなさい、という規定を設けています。

 

第二百五十九条

検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。

 

この規定に基づく書類のことを「不起訴処分告知書」といい、誰でも請求すれば取得することができます。

不起訴処分告知書についてはまた別の機会に解説いたします。

【追記】

不起訴処分告知書について解説しました。よろしければご参照ください。

参考:不起訴処分告知書って何?【サンプル付き】請求のタイミングなど解説

 

まとめ

身柄事件の場合は、身柄拘束期間が終わる2、3日前に国選弁護人を通じて伝えられることが多いです。他方で、在宅事件の場合はご自身で直接問い合わせるか、私選弁護人を通じて確認しなければ、いつ不起訴となったのかはわかりません。

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