起訴と不起訴の違いとは?起訴猶予と無罪の違いについても詳しく解説

刑事事件において起訴か不起訴かはその人の人生を大きく左右する出来事といえます。この記事をご覧の方も、まさにその岐路に立たされている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、

 

  • 起訴とは何か
  • 起訴にはどんな種類があるのか
  • 不起訴とは何か
  • 不起訴の理由にはどんな種類があるのか

 

ということについて解説します。

ぜひ最後までご一読いただければ幸いです。

起訴、不起訴、起訴猶予の違いをしっかり確認してくださいね。

起訴とは刑事裁判にかけられること~「正式起訴」と「略式起訴」がある

起訴とは、罪を犯したと容疑をかけられている人(被疑者)が刑事裁判にかけられてしまうことです。

起訴する権限を有するのは検察官です。

検察官は、警察や検察で得た証拠を基に、起訴するか後ほど解説する不起訴にするかを判断します。

起訴には大きく分けて「正式起訴」と「略式起訴」があります。

正式起訴とは正式裁判にかけられること

正式起訴とは、被疑者を「正式裁判」にかけるための起訴です。

正式裁判は、皆さんがテレビ、ドラマなどでよく見る、裁判官、検察官、弁護人・被告人が公開の法廷に一堂に会して行う裁判です。裁判は原則として公開され、事件に全く関係のない第三者でも裁判を傍聴することができます。

 

身柄拘束(勾留)されたまま正式起訴されると自動的に2か月間の身柄拘束が決定し、保釈されるか、判決で罰金や執行猶予付きの懲役、禁錮を受けない限り社会復帰することができません。他方で、身柄拘束されないまま正式起訴された場合は、日常生活を送りながら裁判を受けることになります。

 

正式裁判では、検察官や弁護人が請求する証拠書類のやり取り、証人・被告人への質問(尋問)などが行われます。

正式裁判の判決ではいかなる刑罰(死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料)をも言い渡すことが可能です。

正式起訴されると起訴状謄本という書面を受け取りますよ。起訴状謄本には、どんな事実、罪名で起訴されたかなどが記載されています。

 

略式起訴とは略式裁判にかけられること

略式起訴とは、被疑者を「略式裁判」にかけるための起訴です。

略式裁判は、正式裁判と異なり、公開の裁判は開かれず、裁判官が検察官から提出された記録を読み込んで略式命令を出す書面審理のみで終わる裁判です。

つまり、略式裁判では、裁判官、検察官、弁護人・被告人が法廷に一堂に会して証拠書類のやり取りや質問などは行われません。

 

略式裁判は、通常の裁判の手続きが簡略化されますから、検察官が略式起訴をするにあたって(通常、検察庁での取調べ時に)、検察官から略式裁判を受けることへの同意を求められます。

 

身柄拘束(勾留)されたまま略式起訴されると、略式命令が出た時点で釈放されます。他方で、身柄拘束されないまま略式起訴され、略式命令が出た場合は、後日、裁判所からご自宅に略式命令謄本が送達されます。

 

略式裁判では100万円以下の罰金又は科料の命令しか出すことができません。罰金額は略式命令謄本に書かれています。

罰金は検察庁の徴収係という係の窓口か、検察庁から送られてくる納付書をもって金融機関で納付します。

略式起訴された場合も略式命令謄本を受けますよ。略式起訴、略式裁判は裁判所に出廷しなくてよい、罰金以下で済むという点で負担が軽いですね。

【正式起訴と略式起訴の違い】

 

正式起訴 略式起訴
公開の裁判 開かれる 開かれない(書面審理のみ)※1
被疑者の同意 不要 必要
身柄拘束時 自動的に2か月拘束される 釈放される
判決 あらゆる刑罰(懲役、禁錮など) 100万円以下の罰金又は科料
刑務所に行く可能性 ある 小さい(※2)

 

※1 略式起訴されても、略式命令謄本を受け取った日の翌日から14日以内は正式裁判を申し立てることができます

※2 罰金を納付しない場合は労役場留置という措置を取られ、刑務所に収容されることがあります

 

不起訴とは刑事裁判にかけられないこと

不起訴とは、起訴とは真逆で、刑事裁判にかけられないことです。

刑事裁判にかけられないということは、裁判に出廷する必要がない、懲役・罰金などの刑罰を科されない、前科がつかないということを意味しています。

有名な不起訴理由は「起訴猶予」と「嫌疑不十分」

不起訴には理由があります。

不起訴の理由は全部で20種類ありますが、中でも有名な理由が「起訴猶予」と「嫌疑不十分」です。

 

起訴猶予とは、起訴されれば刑事裁判で有罪となり懲役や罰金などの刑罰を科される可能性が高いものの、被疑者に有利な情状があるため起訴が猶予される(見送られる)ことをいいます。

たとえば、万引きを保安員に目撃され、窃盗罪(刑法235条)で有罪となることは明らかであるものの、店側に被害弁償したことが有利な情状として考慮され、起訴猶予による不起訴となる場合です。

 

なお、起訴猶予と無罪は以下の点で異なります。

 

【起訴猶予と無罪との違い】

 

  • 起訴猶予は起訴されると有罪となる可能性が高い
  • 起訴猶予は検察官が下す判断
  • 起訴猶予となっても、起訴される可能性は残されている(レアケース)

 

他方で、嫌疑不十分とは、検察官が刑事裁判で犯罪を証明するための証拠が不十分なため起訴できないというものです。検察官が「起訴しても被疑者を有罪にできない」、「裁判で負ける」と判断した場合に下されるのが嫌疑不十分ということですね。

刑事事件では実は「起訴」より「不起訴」、「嫌疑不十分」より「起訴猶予」となる数の方が多いですよ。

まとめ

起訴は刑事裁判にかけられること、不起訴は刑事裁判にかけられないことです。また、起訴には正式起訴と略式起訴が、不起訴の理由には有名なものとして起訴猶予と嫌疑不十分があります。

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