国選弁護人とは?私選弁護人との違いについても詳しく解説

刑事事件の弁護士は法律の専門家として、罪に問われている被疑者・被告人の味方になってくれる重要な存在といえます。そして、刑事事件の弁護士には国選弁護人と私選弁護人の2種類があります本記事では、国選弁護人と私選弁護人の違いについて詳しく解説します。最後までご一読いただき、弁護士を選ぶ際の参考にしていただけると幸いです。

国選弁護人とは

国選弁護人とは裁判所(国)によって選ばれた弁護人(※)のことです。

国選弁護人に対して私選弁護人は、文字通り、裁判所ではなくご自身で選ぶ弁護人のことです。

国選弁護人には被疑者国選弁護人と被告人国選弁護人の2種類があります

※弁護人

正式に選ばれた弁護士のこと。

被疑者国選弁護人とは

被疑者国選弁護人被疑者について選ばれる国選弁護人です。

被疑者とは捜査機関(警察、検察)に犯罪の嫌疑をかけられ起訴される前の人のことをいいます。

被疑者には身柄を拘束されていない在宅被疑者と身柄を拘束されている身柄被疑者がありますが、被疑者国選弁護人が選ばれるのは身柄被疑者についてだけです。

つまり、被疑者国選弁護人は身柄事件で選ばれる国選弁護人ということです。

また、被疑者国選弁護人は逮捕後、直ちに選ばれるわけではありません。逮捕→勾留という過程を経た後に選ばれます。つまり、被疑者国選弁護人は、「逮捕→勾留」までの約3日間は弁護活動できない、という点に注意が必要です。

被告人国選弁護人とは

被告人国選弁護人被告人について選ばれる国選弁護人です。

被告人とは、捜査機関による捜査(取調べなど)を経て検察官に起訴された人です。

被告人にも、身柄を拘束されないまま起訴された在宅被告人と、身柄を拘束された(勾留された)まま起訴された身柄被告人がいます。

被告人国選弁護人は、被疑者国選弁護人と異なり、基本的には在宅被告人にも身柄被告人にも選ばれます。これは起訴された後の刑事裁判を被告人一人で行うことは難しく、弁護人による主張、立証活動があってはじめて公平な裁判を実現できる、との考え方に基づくものです。

【事件の種別と国選弁護人】

被疑者国選弁護人 被告人国選弁護人
身柄事件 選ばれる 選ばれる
在宅事件 選ばれない 選ばれる

 

刑事事件の国選弁護人と私選弁護人との違い

次に、国選弁護人と私選弁護人違いを解説します

弁護士費用を負担するかしないか

原則、弁護士費用を負担しなくてよいのが国選弁護人負担しなければならないのが私選弁護人です。

国選弁護人制度は「資力がない人でも弁護人による弁護活動を受けることができるように」との趣旨で設けられた制度です。したがって、国選弁護人が選任されても、その活動にかかった費用は原則、負担する必要はありません。他方で、私選弁護人の場合は、ご自身で弁護士費用を負担する必要があります。

選ぶのに条件があるかないか

弁護人を選ぶのに条件があるのが国選弁護人で、条件がないのが私選弁護人です。

前述のとおり、国選弁護人制度は資力のない人のために設けられた制度ですので、資力がないことが国選弁護人を選ぶための条件といえます(詳しい条件については後日、あらためて解説いたします)。他方で、私選弁護人はご自身で選ぶ以上、条件はありません。

弁護人を自分で選べるか否か

国選弁護人はご自身ではなく裁判所が選びます。他方で、私選弁護人はご自身で選ぶことが可能です。

国選弁護人はあらかじめご自身の目で見て「どんな人か」を確認することができません。選ばれてみないとどんな人か分からない、というのが国選弁護人です。他方で、私選弁護人はあらかじめご自身の目で見て「どんな人か」を確認した上で、その弁護人を選ぶか選ばないかを判断することが可能です。

弁護人をいつでも選べるか否か

弁護人をいつでも選べないのが国選弁護人で、いつでも選べるのが私選弁護人です。

国選弁護人は被疑者の場合だと勾留されてから、被告人の場合だと起訴されてからでないと選べません。他方で、私選弁護人はいつでも、つまり、検挙前、逮捕前後、勾留前後など時期を問わずいつでも選ぶことが可能です。

解任が自由か否か

自由に解任できないのが国選弁護人で、自由に解任できるのが私選弁護人です。

国選弁護人の場合、解任できる場合(解任事由)が法律で決められており、解任事由に当たる事態とならない限り、国選弁護人を解任することはできません。たとえば、相性、性格の不一致は解任事由ではなく、「相性、性格が合わない」との理由で国選弁護人を解任することはできません。他方で、私選弁護人は選ぶのも自由であれば、理由を問わず解任も自由です。

 

まとめ

国選弁護人と私選弁護人の違いを表にまとめると以下のとおりです。

国選弁護人 私選弁護人
弁護士費用 原則、負担なし 自己負担
選ぶ条件 あり なし
自分で選べる 選べない 選べる
選任時期 勾留決定後(身柄事件) / 起訴後(在宅事件) いつでも
解任の自由 制限あり なし

 

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