交通事故の過失割合でもめる5つのパターンと対処法を詳しく解説

この記事をご覧の方は、今まさに、保険会社の担当者と交通事故の過失割合でもめている、もめそうだ、という方が多いのではないでしょうか?

本記事では、そもそもなぜ交通事故の過失割合でもめるのか、という話からはじめ、中盤以降は、もめた場合の対処法について詳しく解説してまいります。

 

なぜ、交通事故の過失割合でもめる?

そもそも過失割合とは、交通事故に対する責任の割合を数値化したもので、過失割合によって被害者が加害者に対して請求できる賠償金が大きく異なってきます

すなわち、被害者の過失割合が小さければ小さいほど加害者に対して請求できる賠償金は高くなります。他方で、加害者の立場に立ってみれば、加害者の過失割合が大きくなればなるほど(被害者の過失割合が小さくなればなるほど)被害者から請求される賠償金は高くなり、過失割合が小さくなればなるほど安くなるわけです。

このように、過失割合は、請求する側、される側の賠償金に大きく影響することから、交通事故における最大の関心事といってもよく、もめる原因ともなりやすいのです。

 

なお、賠償金の話である民事上の過失(割合)と刑事上の過失(過失運転致死傷罪の過失)とは全く無関係ですから注意が必要です。つまり、警察、検察では(刑事上の)過失はないといわれても、民事上では(賠償金の話となると)一定の過失割合を認められてしまうことも十分に考えられます。

 

交通事故の過失割合でもめる5つのパターン・原因

それでは、さらに具体的に、交通事故の過失割合でもめるパターン・原因についてみていきましょう。

物損の示談交渉で、保険会社の担当者から過失割合を提示された場合

過失割合で最初にもめる可能性が大きいのは、保険会社の担当者から物損の示談をもちかけられたときです。

このとき、保険会社の担当者から提示された過失割合に納得がいかない場合や、保険会社に対して請求できる賠償金(保険金)が実際の損害に比べて安かった場合は、過失割合をめぐってもめる可能性があります。

保険会社から提示された過失割合に納得がいかない場合は、物損の示談であっても絶対に示談してはいけません

重傷、死亡事故の場合

次に、被害者が入院を何カ月も要する怪我を負った場合、後遺症が残る怪我を負った、あるいは不幸にしてお亡くなりになった場合です。

こうした事故の場合、被害者やご遺族は「被害者は悪くなく(過失割合「0」)、加害者が一方的に悪い(過失割合「100」)」と思い込んでしまう傾向にあります

もっとも、現実には、重傷を負った被害者や死亡した被害者にも一定の過失割合が認めれることがあります。その場合、「なぜこんな苦しい目に遭っているのに、過失割合を認められてしまうのか?」などと憤りを感じ、過失割合についてもめてしまうのです。

あなたも相手方も交通事故の「被害者」(加害者ではない)と思っている場合

あなたが「被害者」だと思っている一方で、あなたが「加害者」と思っている相手方も「被害者」と考えている場合です。

この場合、あなたも相手方も、当然、「自分は悪くない、落ち度はない(少ない)」と思っているわけです。

したがって、意外にも過失割合が高かった場合は「加害者扱いされている」と受け取ってしまい、過失割合をめぐってもめてしまうというわけです。

交通事故状況を証明する客観証拠が少ない場合

交通事故状況を証明する客観証拠とは、たとえば、「車に設置されたドライブレコーダー」、「交通事故現場近くの防犯ビデオ映像」などがあります。他方で、こうした証拠がない場合、交通事故状況を証明するためには、事故当事者の話など主観証拠に頼らざるを得ない場合もあります。

もっとも、人の記憶というのは思い込み、先入観、感情などによって汚染されてしまうことがあり、そうした記憶に基づく話は必ずしも現実(真実)を反映していないこともあります。したがって、事故当事者間での交通事故状況に関する話に食い違いが生じ、過失割合をめぐってもめてしまう可能性があります。

加害者、保険会社の担当者の対応が悪い場合

交通事故現場での加害者の態度が悪かった、交通事故後、加害者から謝罪・見舞いがなかった、保険会社の担当者の態度が高圧的で悪かったなどという場合です。

加害者、保険会社の担当者の対応の善し悪しで過失割合が決まるわけではありませんが、対応が悪ければ、提示された過失割合にも合意したくない考える方は多いです。

 

なお、加害者が謝罪・見舞い等しないのは、保険会社に対応を任せきりにしている可能性もありますが、反対に、保険会社から被害者(あるいはご遺族)と直接会うことを止められている可能性もあります。

加害者の謝罪やお見舞い等は加害者の意思に委ねられるものですから、残念ですが強制することはできません最終的には「賠償金を多く取ってやろう」という気持ちに切り替えることもときには必要です

 

交通事故の過失割合でもめた場合の対処法

それでは、次に、交通事故の過失割合でもめた場合の対処法について解説します。

保険会社に過失割合の認定の根拠を示してもらう

保険会社の担当者から過失割合を提示されたものの、納得がいかない場合は、担当者に過失割合を認定した根拠を示してもらいましょう。口頭で説明を受けても分からない場合が多いでしょうから、その場合は、書面を作成してもらい送付してもらいましょう。

弁護士に相談する

保険会社から説明を受けた後は、弁護士に相談して提示された過失割合が正しいのかどうかチェックしてもらうとよいでしょう。交通事故に詳しい弁護士であれば、提示された過失割合が正しいのか修正の余地があるのか判断してくれます。なお、弁護士により意見が異なることもありますので、可能な限り、複数の弁護士に相談すると様々な意見を聞けてよいと思います。

片側賠償で示談する

弁護士に相談し、過失割合の修正の見込みがないことが分かった場合は、保険会社の担当者に片側賠償で示談することをもちかけてもよいです。片側賠償とは、たとえば、あなたの過失割合が「20」、相手方が「80」という場合に、あなたの過失割合を「0」とし、相手方の過失割合を「80」のままで示談することです。こうすることで、相手方にのみ金銭的負担を求めることが可能です。

ADR機関を活用する

ADRとは裁判手続きを利用しない紛争解決法のことです。他方で、以下の「民事調停」や「訴訟(裁判)」は裁判手続きを利用して解決する方法です。交通事故のADR機関には「日弁連交通事故相談センター」「交通事故紛争処理センター」があります。利用するためには一定の条件をクリアしておく必要があります。以下のホームぺージや記事で利用条件等をよく確認してください。

 

参考:日弁連交通事故相談センター ホームページ

参考:交通事故紛争処理センター ホームぺージ

参考:交通事故紛争処理センター|利用条件やメリット・デメリットを解説

 

民事調停を簡易裁判所に申し立てる

前述のとおり、民事調停は裁判手続きを利用した解決法です。もっとも、以下の訴訟と異なり、最終的には被害者と加害者の合意による解決を目指す点では、裁判外の示談交渉やADR機関を利用する手続きと同じです。申し立てはそれほど難しくありませんし、調停期日では調停委員が間に入って手続きを進めてくれますので、弁護士に依頼しなくても利用することは可能です。

 

参考:民事調停手続|裁判所

 

弁護士に依頼する(訴訟を提起する)

これまで解説してきた対処法は弁護士に依頼せずともご自身で行えるものです。他方で、訴訟は、ご自身で行うことも不可能ではありませんが、手続きが極端に難しくなるため、弁護士に依頼せざるを得ないと考えます。

また、弁護士に依頼するのは、何も訴訟を提起する段階からと決まっているわけではありません

ご自身で対処すること、交渉することに少しでも不安を感じる方は、交通事故の被害に遭った直後、保険会社から過失割合を提示された直後など、いかなる段階からでも弁護士に依頼することができます

費用面で心配な方は、弁護士費用特約を使うという手もあります。弁護士費用特約については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

参考:弁護士費用特約を使える家族の範囲は?使える、使えないケースも解説

 

まとめ

過失割合は交通事故の加害者側ともめることが多い要素の一つといっても過言ではありません。保険会社から提示された過失割合に納得がいかない、不満という場合は示談してはいけません。まずは、保険会社がどういう過程、根拠をもって過失割合を認定したのか把握した上で、弁護士等に早めに相談することをお勧めいたします。

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