離婚の協議中に子供を連れ去られた場合の対処法、事前対策とは?

あびる優さんが、離婚調停中に子供を連れ去ったということで、先日、ニュースになりましたね。

このニュースを見て、「離婚の協議中や調停中に子供を連れ去られた際、どのように対処すべきか?」と疑問に思われた方も多いと思います。

そこで、本記事では、離婚協議中に子供を連れ去られた場合の対処法や事前に行える対策について解説します。

 

離婚協議中に子供を連れ去られた際の対処法

離婚の協議中に子供を連れ去られた際の対処法は

 

① 子供を連れ去った相手の住所を突き止める

② 家庭裁判所に対して「子の引き渡し審判」、「子の監護者の指定の審判」を申し立てる

③ 地方裁判所に対して人身保護請求を申し立てる / 強制執行を申し立てる

 

という流れをとります。

 

①住所を突き止める

まずは、子供を連れ去った相手が今現在、どこに住んでいるのか突き止める必要があります。

住所を把握することができなければ、②の手続きを進めることができないからです。

 

ご自分で住所を突き止める場合は、まずは、相手が子供を連れ去った可能性の高い親や兄弟、親族、友人・知人の家を当たってみる、連絡を取ってみるとよいでしょう。何か情報が得られるかもしれません。

 

また、親等から何も情報を得ることができない場合は、市区町村役場の戸籍係で戸籍の附票を請求して取得しましょう。住所を移している場合は、附票に新しい住所が掲載されています(もっとも、DVを理由に閲覧制限がかけられている可能性があります)。

 

それでも突き止めることができない場合は、警察に捜索願や未成年者略取罪(※)の告訴状、被害届を提出することを検討しましょう。なお、先手を打たれて捜索願不受理届を提出されていた場合は捜索願を受け付けてくれません。また、告訴状、被害届を受理してもらったとしても、警察がどこまで本気で捜査してくれるかは不透明です。

 

警察が動いてくれない場合は、探偵事務所に依頼して子供を連れ去った相手の住所をつきとめてもらう方法があります。つきとめてくれる補償はありませんが、依頼するかどうか検討してみる価値はあるでしょう。

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「子の引き渡し審判」、「子の監護者の指定の審判」を申し立てる

子供を連れ去った相手の住所をついとめることができたら、監護実績を作られてしまう前に、家庭裁判所に対して「子の引き渡し審判」を申立てます。申立てが遅れ、監護実績を作られてしまうと、親権獲得に不利となります

 

また、子の引き渡し審判の結果が出るまでには時間がかかりますので、「子の引き渡し前の審判前の保全処分」も同時に申立てましょう。保全処分とは、子供を連れ去った相手に対する、子供を引き渡しなさいという裁判所の仮の命令のことです。

 

なお、審判の前に、話し合いの手続きである「調停」を申し立てることも可能ですが、基本的に子供を連れ去った相手と冷静な話し合いをすることは期待できませんから、調停ではなく審判を申し立てることが一般的です。

 

また、「子の引き渡しの審判」の申立てと同時に「子の監護者の指定の審判」も申し立てることも多いです。監護者とは監護権を持つ者のことです。監護権は親権の中の一つで、正確には身上監護権といい、子供と同居する、子供の日常の世話や教育、しつけなどを行う権利です。

子の監護者の指定の審判によって監護者に指定されると、子供を連れ去った相手に、「自分に子供と同居できる権利がある」ということを主張できます。また、実際に、子供を引き取った後は、子供と一緒に生活することができますし、再度の連れ去りも防止することができ、子供に安定した生活を送らせることができます。さらに、監護者に指定されておくと、離婚の話し合いが離婚調停の場に移った際も有利です。

人身保護請求を申し立てる

人身保護請求とは、人(子供)が法律上正当な手続きによらないで身体の自由を拘束されているときに、その自由を回復させることを目的として、地方裁判所に対して行う請求のことです。

人身保護請求が認められるためには、「子供が拘束されていること(拘束性)」、「拘束が違法であること(違法性)」、「拘束の違法性が顕著であること(違法の顕著性)」、「救済の目的を達成するために、他に適切な方法がないこと(補充性)」という要件を満たす必要があります。

 

補充性に関連して、人身保護請求は、まずは子の引き渡し審判を行って、引き渡しを命じる審判を得た後に行います。なお、人身保護請求は重要な手続きであることから、原則として、弁護士に依頼した上で、弁護士が代理人として行うものとされています(人身保護法3条)。

 

人身保護手続きは他の事件に優先して迅速に行われます。裁判所が請求を認めると、あらかじめ子供を連れ去った相手に、判決期日の際に子供を連れてくるよう要請し、引き渡しを命じる判決後に請求者に引き渡します。

 

なお、人事保護請求のほか強制執行の手段もありますが、これはまた別の機会に解説します。

 

相手に連れ去られる前にしておきたい事前対策

前述のように、相手に子供を連れ去られた後の対応はもちろん大切ですが、連れ去られる前にやっておくべきこともあります。

 

まず、子供に常日頃から連れ去りに応じないよう言い聞かせておくことです。

することで一定程度、連れ去りを防止することができますし、仮に、無理矢理連れ去られたとしても、連れ去りの違法性がより強度となって、審判時に連れ去りの違法性を強調できるようになります。

 

また、子供にスマートフォン、携帯電話を持たせ、連れ去られた場合はすぐに連絡するよう言い聞かせておくとよいでしょう。さらに、スマートフォンにGPS機能を設定しておけば、万が一、連れ去られた場合でも住所を特定するのに役立ちます。

 

なお、上記のことは、常日頃から子供とコミュニケーションを上手く取っているからこそ可能となるものです。したがって、常日頃から子供と積極的に関わり、綿密にコミュニケーションをとっておくことも連れ去りを防止するためには大切なことといってよいでしょう。

 

まとめ

子供を連れ去られたら、速やかに行動に移しましょう。連れ去りから時間が経てば経つほど、相手の監護実績が積み上げられ、後に、親権を獲得することが難しくなってきます。もっとも、無理矢理連れ返すことだけはしてはいけません。「勝手に連れ去られたのだし、親であることに変わりはないから連れ去ってもかまわない」とは思わないでください。たとえ親でも未成年者略取罪に問われる可能性があります。

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