相続とは?遺言による遺贈との共通点や違いなどについて詳しく解説

大切な人がお亡くなりになった場合に避けては通れないのが「相続」の問題です。相続問題を解決するにあたっては、まずこの「相続」とは何かを正確に理解しておくことが大切です。

そこで、本記事では、相続とは何か相続と似ている遺贈との違いは何か、といった点について解説していきたいと思います。

 

相続とは?

相続とは、ある人が死亡したときに、その人が生前に所有していた(プラス・マイナスの)財産を家族などが引き継ぐことをいいます。

生前に財産を所有し、財産を引き継がれる人のことを被相続人、引き継ぐ人のことを「相続人」といいます。

たとえば、夫、妻、子供2人の4人家族で、夫が死亡した場合は、夫が被相続人、妻、子供2人が相続人となります。

相続のタイミング

相続は被相続人が死亡したと同時に始まります

被相続人、相続人の意思にかかわりなく発生するのが相続です。

相続の対象となる財産(相続財産)

相続の対象となる財産、つまり、相続人が引き継ぐこととなる財産のことを相続財産といいます。

 

相続財産は、「土地・建物、現金、預貯金、家財道具、自動車、バイク、宝石、貴金属、株、借地権・借家権など」のプラスの財産のほか、「借金、住宅ローン、未払いの税金・家賃・地代・医療費など」のマイナスの財産も含まれます

 

他方で、「香典、死亡退職金(※)、遺族年金、墓地・墓石・仏壇・仏具など」は相続財産ではありません。相続財産ではない財産については、相続放棄(※)しても引き継ぐことができます。

 

※死亡退職金

本来、退職金を受け取るべき人(被相続人)が死亡したため、退職金規定等によって受給権があるとされている人が受け取るお金。

被相続人の死亡後、3年以内に支給額が確定したものは「みなし相続財産」とされ、相続税の計算上の財産となります。

被相続人が受け取り人を指定した生命保険金も相続財産ではありませんが、みなし相続財産とされ、相続税の計算上の財産となります。

 

※相続放棄

相続人が相続財産の一切を引き継がないことです。

前述のとおり、相続財産はプラスのみならず、マイナスの財産も含まれます。

マイナスの財産が多く相続したくない方は相続放棄を検討しましょう。

相続放棄については以下の記事でも詳しく解説しています。

 

参考:相続放棄できるタイミング、期間は?相続人別に詳しく解説

参考:相続放棄で必要な書類は?なぜ必要か?についても詳しく解説

 

相続する人(相続人)

前述のとおり、相続する人のことを相続人といいます。

 

この相続人になる人は民法という法律で規定されています。民法で規定された相続人のことを「法定相続人」といいます。

 

法定相続人は配偶者相続人と血族相続人で構成されています。

まず、配偶者は常に相続人となります(民法890条)。

血族相続人がいればその者と共同で、血族相続人がいなければ単独で相続人となります。

血族相続人には、被相続人の子(民法887条1項)、直系尊属(民法889条1項1号)、兄弟姉妹(同項2号)が該当します。

以下の順で相続人となることが決まっており、先順位の相続人が一人もいない、あるいは全員が相続放棄した場合にはじめて後順位の相続人が相続権を有します

 

  • 第一順位の相続人

被相続人の子。

被相続人の死亡時にすでに子が死亡している場合はその子(被相続人からみた孫)。

 

  • 第二順位の相続人

被相続人の父・母。

被相続人の死亡時に父・母が死亡している場合は祖父母。

 

  • 第三順位の相続人

被相続人の兄弟姉妹。

被相続人の死亡時に兄弟姉妹が死亡している場合はその子(被相続人から見た甥・姪)。

 

【夫・妻・子2人の家族構成で夫が死亡した場合の相続人】

妻と子2人が相続人です。

夫の死亡時、子1人が死亡している場合で、その子に子(被相続人から見た孫)がいる場合は、配偶者に加え、子と孫が相続人です。

 

遺贈とは?

遺贈とは、遺言によって被相続人の財産を無償で引き継ぐことです。

遺言は遺言書を作成して行わなければなりません(民法960条)から、遺言書によって財産を引き継ぐこと遺言といってもよいかもしれません。

遺贈を受ける人を「受遺者」といいます。

遺贈には、具体的な財産を示して行う「特定遺贈」と具体的な財産を示さず割合のみを示して行う「包括遺贈」があります。特定遺贈と包括遺贈については以下の記事で解説しています。

参考:特定遺贈と包括遺贈との違いとは?それぞれの特徴について詳しく解説

遺贈のタイミング

遺贈(の効力)も被相続人の死亡と同時に始まります

 

もっとも、相続は被相続人、相続人の意思にかかわりなく発生するものでしたが、遺贈は被相続人の意思がかかわる点に違いがあります。すなわち、遺贈では、将来、被相続人となる人が、あらかじめ「●●の財産を〇〇に遺贈する」といった形の遺言書を作成し、ご自分の財産の管理・処分について一方的に意思表示しておく、という点に特徴があります。受遺者の承諾を必要としませんから、遺贈を受けなくない受遺者は放棄の手続きを取る必要があります。

遺贈の対象となる財産

制限はありません。

つまり、被相続人が所有している財産であれば、プラスの財産、マイナスの財産にかかわらずどんな財産でも遺贈することができます。

ただし、相続人(被相続人の兄弟姉妹を除く)には、相続財産の最低の取り分である「遺留分」が補償されており、遺留分を侵害する遺贈は無効ではありませんが、相続人が遺留分を取り戻す(相続人からの遺留分侵害額請求される)対象にはなってしまいます

遺贈される人(受遺者)

受遺者は相続人でも相続人以外の人(相続権がない人)でもかまいません

 

たとえば、夫、妻、子A・B、子Aの子Cの家族構成の場合、Cは夫の相続人ではありません(相続権を有しません)が、夫は遺言によってCに遺贈することもできます。

 

まとめ

以上を表にすると以下のとおりとなります。

 

相続 遺贈
内容 被相続人、相続人の意思にかかわりなく発生 被相続人の一方的な意思表示(受遺者の承諾不要)により発生
発生のタイミング 被相続人の死亡時 被相続人の死亡時
引き継ぐ財産 相続財産 なんでも(ただし、遺留分を侵害しないよう注意)
財産を引き継ぐ人 相続人 誰でも

 

なお、今回は、相続と遺贈そのものの違いについて解説しましたが、両者は、たとえば不動産上の手続きや税金面などでも違いが出てきます。この点は、また追って解説していきたいと思います。

 

 

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