相続放棄の費用の相場とは?自分でする場合と専門家に依頼した場合

相続放棄はご自分でも行うことも不可能ではありません。

他方で、司法書士や弁護士などの専門家に相談、依頼したいと考える方も多いでしょうが、その際に考えなければならないのが依頼した場合にかかる「費用」のことではないでしょうか?

本記事では、専門家に相続放棄を依頼するかどうか検討中の方々のために、

 

☑ 相続放棄にかかる費用の相場

☑ 相続放棄の費用を抑える方法

☑ 専門家に相続放棄を相談・依頼すべき場合

 

について詳しく解説してまいります。

ぜひ最後までご一読いただき、専門家に相続放棄を依頼するかどうか判断する際の参考にしていただけると幸いです。

 

【ケース別】相続放棄にかかる費用の相場

まずは、自分で相続放棄した場合と司法書士、弁護士に依頼した場合にかかる費用の相場をみていきましょう。

自分で相続放棄した場合【2,000円前後~】

自分で相続放棄する場合は【2,000円前後~】が相場といえます。

以下、相続放棄の申述で必要となる基本的な書類等や費用の内訳をみてみましょう。

なお、申述人が誰かによって必要となる書類等が異なり、それによって費用も若干異なります

 

関連記事:相続放棄で必要な書類は11種類!配偶者、親、子、兄弟姉妹別に解説

 

【相続放棄の申述に必要な書類等と費用】

書類等 費用
被相続人(※)の住民票除票又は戸籍附票 300円
申述人(※)の戸籍謄本 450円
収入印紙 800円(申述人1人つき)
予納郵便切手 400円前後(家庭裁判所により異なる)
交通費 個人による

※被相続人:お亡くなりになって、財産を引き継がれる人

※申述人:家庭裁判所に対して相続放棄の申述をする人

 

司法書士に相続放棄を依頼した場合【30,000円前後~】

次に、司法書士に相続放棄を依頼した場合ですが、筆者が様々な司法書士法人・事務所のホームページ等を見るなどして調べたところ、【30,000円前後~(税別)】が相場といえます。

もっとも、これは、申述人が1人で、相続放棄を申述期間(=熟慮期間ともいいます。相続の開始があったのを知った日から3か月)内にした場合の費用です。申述人が2人以上、相続放棄を申述期間外にする場合は費用が加算されますので注意が必要です。

なお、サービス内容や費用体系は各法人で異なりますので、契約前にしっかり確認し、納得の上で契約(依頼)するようにしましょう。

弁護士に相続放棄を依頼した場合【50,000円前後~】

最後に、弁護士に相続放棄を依頼した場合ですが、これも調べたところ【50,000円前後~(税別)】が相場といえます。

ただし、申述人が2人以上いる場合、相続放棄を申述期間外にする場合に費用が加算されること、各法人によってサービス内容や費用体系が異なる点は司法書士の場合と同様です。

弁護士に依頼した場合に費用が高くなるのは、弁護士があなたの代理人として活動でき、その分、活動できる範囲が広くなるからです。

相続放棄の費用を抑える方法

前述したとおり、司法書士や弁護士に相続放棄を依頼した場合にかかる費用は決して安いとはいえません。そこで、以下では、可能な限り費用を抑えるための方法についてご紹介してまいります。

できることは自分でやってみる

自分でできることとしては、たとえば、被相続人の住民票の除票や戸籍謄本などの取り寄せです。

書類の取り寄せまで司法書士や弁護士に依頼すると実費(手数料、郵送費など)が発生することがあり、その分費用が増えます。

可能な限り費用を抑えたいという場合は、できることは自分でやってみましょう。

法テラスを利用する

一定の資力要件等を満たす方は法テラスのサービス(法律相談援助、代理・書類作成援助)を利用することができます。法律相談は1回30分で3回まで無料で受けることができます。法律相談で解決できなかった場合のみ、代理・書類作成援助を受けることができます。

代理・書類作成援助を利用することとなった場合は、法テラス側で着手金・実費を立て替えてくれますし、サービス終了後に返済しなければならないトータルの費用も安いです。終了後は、月5,000円~10,000円程度の分割で返済できる点も特徴です。

なお、司法書士、弁護士法人・事務所が法テラスと提携している場合は、法人・事務所を通じて法テラスの利用を申し込むこともできますので、一度、問い合わせてみましょう。

参考:法テラスホームページ

専門家に相続放棄を相談、依頼すべき場合

自分で相続放棄をすることも不可能ではなく費用を安く抑えることもできますが、費用面だけに気を取られるのはよろしくありません。相続放棄は被相続人の財産を引き継ぐのか引き継がないのかの重要な場面ですから、相談・依頼すべきときはある程度費用をかけてでも相談・依頼すべきといえます。

以下では、専門家に依頼すべき場合を挙げましたので、専門家に相談・依頼すべきか迷った際の参考にしていただければと思います。

以下のいずれかに該当する場合は、一度、早めに専門家に相談するべきです。

そもそも相続放棄をすべきかどうか分からない場合

被相続人がどのような財産を所有しているのか分からない、被相続人にマイナスの財産(借金など)はあるけどプラスの財産もある、などいうことから、「相続放棄すべきかどうか分からない」という場合は、専門家に依頼すべきといえます。

専門家であれば、各種の調査方法を駆使し、被相続人がどんな財産を所有しているのか洗い出し、相続放棄すべきか別の手段(単純承認、限定承認)を選択すべきかを的確に判断してくれます。

書類の取り寄せ、作成、提出等の作業が面倒と感じる場合

相続放棄するにあたっては、戸籍謄本などの書類を取り寄せる必要があります。特に、被相続人の親、兄弟姉妹が相続放棄する場合(申述人となる場合)は取り寄せなければならない戸籍謄本の数が多くなり、かつ、それを一つ一つ丁寧に読み解く作業が必要となります。こうした作業が面倒、忙しくて自分で行う時間が取れないなどという場合は専門会に依頼すべきといえます。

専門家であれば、書類の取り寄せから精査までスムーズに行ってくれます。

裁判所からの照会に対する回答に不安を感じる場合

相続放棄申述書を家庭裁判所に提出して1週間~2週間ほど経過すると、裁判所から「相続放棄に関する照会・回答書」という書類がご自宅に郵送されてきます。これは、相続放棄が本当に申述人の意思に基づくものか、被相続人が死亡した後、処分した財産がないかどうかなどを確認するための書類です。基本的には回答事項に〇を囲むだけの簡易なものですが、回答事項によっては相続放棄が受理されないこともあります。

したがって、回答するにあたって、相続放棄が受理されるかどうか不安、という場合は専門家に依頼すべきといえます。

被相続人の債権者への対応が面倒、不安があると感じる場合

被相続人が死亡すると、被相続人の債権者(被相続人に対してお金の支払いを請求できる人)から相続人に対して通知や連絡が行くことがあります。こうしたことへの対応は、もちろん相続人ご自身で対応していただくことも可能ですが、対応が面倒、不安があると感じる場合は専門家に依頼することで対応を任せることが可能です。

相続放棄したことを他の相続人へ説明することが面倒だと感じる場合

相続放棄すると他の相続人へ相続権が移動します。たとえば、被相続人の配偶者と子供が相続放棄した場合は、通常、被相続人の親、親が相続放棄した場合は兄弟姉妹へと相続権が移動します。そして、今度は、相続権を受け継いだ人が相続放棄するかどうか決めなければならないのです。そのため、ご自身が相続放棄する場合は、相続権が移動する相続人に対して相続放棄したことを説明した方が親切といえます。

もっとも、中には兄弟姉妹と何十年も連絡を取っておらず疎遠という方もおられるでしょうし、相続放棄について誤った説明をして余計な心配をかけたくないという方もおられるでしょう。

専門家であれば、相続権が移動した方に対して、あなたが相続放棄したことでどのような影響があるのか、今後はどうすればよいかについて丁寧に説明してくれますので、親族関係を悪化させずに済みます。

相続放棄の申述期間が迫っている、経過したという場合

相続放棄は「相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内に行う必要があります。

 

関連記事:相続放棄できるタイミング、期間は?相続人別に詳しく解説

 

この期限が間近に迫っている、あるいは、すでに期限を経過したかもしれないという場合は専門家に依頼すべきです。

前者の場合は、3カ月以内に、家庭裁判所に対して申述期間の伸長を申し立てることによって、申述期間を延長してもらえる可能性があります。また、後者の場合は、申述書等の書類を家庭裁判所に提出する際に、併せて「事情説明書」という書類を作成・提出することで、家庭裁判所に相続放棄を受理してもらいます。

いずれの場合でも、専門的知識が必要ですので、専門家に依頼すべきといえます。

 

まとめ

相続放棄はご自身でも行うことができますし、その場合は相続放棄にかかる費用も安くなります。もっとも、そもそも相続放棄すべきかどうか判断が難しい場合もありますし、状況によっては専門家に依頼すべきときもあります専門家に相談すれば、相続放棄すべきかどうか、手続きをご自身で行えるかどうかも含めて判断してくれますので、まずは早めに相談に行くことをお勧めいたします。

相続放棄に失敗した場合は、多額の借金を背負いながら生活していかなければならない可能性があります。自分でやることも可能ですが、不安な場合は、早めに専門家に相談しましょう。

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